東西(とうざい)
2011.09.29 OA
客席から舞台を見て、右側を「上手」、左側を「下手」と呼びますが、これとは別の表現として、右側を「東」、左側を「西」と方角で表す言い方もあります。
左が西で右が東。という事は必然的に、面が「南」奥が「北」という事になります。
これは昔、まだ舞台が今のような常設のものではなく、仮設舞台で移動公演を行っていた頃に由来します。
当時はまだ照明器具などはありませんから、公演は昼間に行われ、舞台に太陽の光が当たるよう、舞台を南向きに設置していました。
つまり、客席が南。という事は、舞台が北。
南にある客席から舞台を見て、右手が東で左手が西というわけです。
歌舞伎でお馴染みの定式幕のことを東西幕と言うこともあります。
これは、東西(上手と下手)に引かれる幕だから、東西幕、という事だと思います。