SE(えすいー)
2011.11.10 OA
SEは英語の「サウンド・エフェクト(sound effects)の略。日本語に訳すなら「音響効果」。本来は狭義の効果音(足音や扉の開閉、雑踏、車や電車の音、銃撃音や剣戟音など)を意味する言葉ですが、もう少し広い意味で、効果音楽(演出的意味を持った音楽)にも使われる場合もあります。
また、(特にテレビや映画などの映像業界では)「音響効果」を略して「音効」とし、音響のスタッフを「音効さん」と呼んだりもします。
舞台の現場においては同じ音響に関わるスタッフでも「音効さん」と呼ばれることはあまりなく、「音響さん」や「PAさん」と呼ばれる事が多いのではないでしょうか。
効果音の歴史は古く、例えば日本の歌舞伎でも、様々な効果音が使われてきました。雨の音を表現する「雨うちわ」や風の音を表現する「風車」など、専用の道具を使って音源を再現するものも多数ある一方で、太鼓などの打楽器を使って雪や妖怪を表現するなど、本来の音源というより雰囲気を再現する抽象的効果音も発展しました。幽霊の登場時に太鼓を低く連打する「どろどろどろ・・・」という音は今も有名ですね。あれも幽霊の持つおどろおどろしい雰囲気をうまく表現した、代表的名効果音でしょう。
西洋音楽史においては、作曲家が効果音を指定したのは1600年頃、モンテヴェルディが最初と言われています。また、イプセンやチェーホフの戯曲には音に関するト書きがありますので、少なくとも1800年代には西洋演劇においても当たり前に効果音が使われていたようです。
特に舞台においては、役者の動き、反応に合わせてリアルタイムに音をあてていく事になりますから、芝居全体への理解や役者との信頼関係も重要になってきます。
普段舞台を観ていてもあまり意識する機会は少ないかもしれませんが、高度な対応力を求められるSEの世界にも、ちょっと注目してみるとより楽しいかもしれません。