明転(めいてん)
2011.08.04 OA
舞台上の装置や俳優を移動させて違う場面へ移ることを「場面転換」と言い、その転換の様子をお客様に見えるように明るい中で行うことを「明転」と言います。
舞台を暗くしてお客様に見えない状態で転換する「暗転」と違い、転換自体をお客様に見せる明転は、そこに一種の芸術性やストーリー性を持たせる場合が多いようです。
役者が演技したり踊ったりしながら装置を転換したり、回想シーンのように見せたり、舞台装置が大掛かりに変化していく姿を見せてその醍醐味を楽しんでもらったり。
時にはセリフを言いながら、シーンの一部として転換していくケースもあります。
「明転」は「暗転」の逆、と教えられるので舞台関係者にも「暗い状態から明るくなる事」を「明転」と称する人もいるようですが、本来の意味としてはそういう意味はありません。あくまでも、「暗いまま転換する」の逆で「明るいまま転換する」が、舞台用語としての「明転」の意味。
まぁどちらの意味で使っても文脈で理解は出来ますし問題はないのですが、混乱を避けるために現場・劇団内での統一はした方がいいかもしれませんね。
舞台人の中には、「あかてん」と言う人もいるようです。「明るいまま転換→あかてん」という事なのでしょうけど、音読みと訓読みをこうやってかけあわせると違和感がありますね。それこそが専門用語っぽさなのかもしれませんが。