立ち稽古(たちげいこ)
2013.1.31 OA
さて、顔合わせを済ませ読み合わせを進め、次に行うのが『立ち稽古』です。その名の通り、「(椅子に座って台本を読む段階を終えて)立って稽古する」という事で、動作や表情を加えていく段階になります。
『立ち稽古』は、まず台本を片手におおまかに動いていく『半立ち』、だいたいの立ち位置や動きの段取りを決めていく『荒立ち(ミザンス稽古、と言う場合も)』も含めた動きを伴う稽古全般を指す事もありますし、『半立ち』『荒立ち』の後に行う、やや本格的な稽古の事を限定的に指す場合もあります。
立ち稽古は通常、最初から最後まで一気にやる事はなく(それは「通し稽古」という別の名前で呼ばれます)、シーン単位だったり、さらに細かくシーンの一部を抜き出したりして行われます。また、この段階から、稽古場に小道具や舞台装置の代用品が登場し、それらを使って実際の舞台の感覚を掴んでいきます(もちろん、いきなり本物を使う場合もあります)。
立ち稽古はおそらく多くの現場で、すべての稽古スケジュールの中でもっとも長い期間を割く稽古であり、今までは本の中、頭の中の物語だったものが、いよいよ立体的なものになっていく稽古でもあります。