宝島 | さぁ、トレジュ、トロ、レジャーハント、第五回! |
教授 | 待て待て!いきなり噛んだぞこいつ! |
宝島 | このコーナーでは私が街で見つけた珍品名品を、 |
助手 | ゴリ押した! |
宝島 | 紹かっ、介していきます。紹介していきます。 |
教授 | 押し切る事も出来ないという・・・ |
宝島 | すみません、もう一回やらしてください! |
教授 | そんな時間はない! |
宝島 | え、このまま!? |
教授 | 前回(マジックイモムシ)高得点だったから慢心してるな。 |
助手 | 最低ですね。 |
宝島 | ぐ・・・! |
教授 | 今回はフォローしてくれる浦本助教授はいないぞ!加藤助手はフォローしてくれないぞ! |
助手 | フォローっていうか、基本的にしゃべる気ありませんからね! |
教授 | しゃべれっ!仕事しろっ!!! |
宝島 | なんだろうあの自信・・・ |
教授 | こ、この助手は・・・はぁ、始めよう・・・ |
宝島 | 教授も大変ですね・・・さ、さぁ、今回の宝物は、これだ! |
第五の宝物 コップのフチ子さん
全長3cm程度/プラスチック製
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宝島 | コップのフチに舞い降りた天使、「コップのフチ子さん」です! |
教授 | おぉ、フチ子さん!私も注目してたヤツだ! |
宝島 | おぉ!珍しく教授と一致! |
助手 | 有名なんですか? |
教授 | うむ。今、一部で大人気なのだ。 |
宝島 | 基本はガチャガチャの商品なんですけど、人気で欠品が相次いだというね。 |
助手 | へぇ。確かに可愛いですけど、「コップのフチに舞い降りた」ってのは・・・? |
宝島 | ふふ、そう、この子のウリはまさにそこなのですよ。 |
教授 | ちょっと待て、コップ取ってくる! |
宝島 | 普通こういうのって、ストラップだったりマグネットだったりでしょ。でもこの子は違う。
今までになかった発想で、独自の居場所を手に入れたんですよ! |
助手 | も、盛り上がってるなぁ。 |
教授 | 宝島くん、このコップでどうだ? |
宝島 | いいですね。さぁ加藤助手、この子は、こうやって使うんです! |
コップのフチに舞い降りた、フチ子さん。
フチからそんな風に見つめられると・・・て、照れるじゃないか!
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教授 | おぉ! |
宝島 | いいでしょ!?その姿、まさに天使! |
助手 | あぁ、なるほどねぇ。 |
教授 | この微妙な無表情がいいね。 |
宝島 | 例えばストラップだったら、すでにお気に入りのモノを持ってる人が多いわけでしょ?
でも携帯かカギか、つけるようなトコは限られてる。となると新しいストラップをつけてほしい場合は、
すでにあるお気に入り商品とのバトルになるわけです。 |
教授 | そこへ行くとこのフチ子さんは、いまだかつてなかった『コップのフチ』という
ニッチな場所を狙うことで、戦わずして勝つ道を狙ったわけだ。 |
宝島 | 発想の転換ってヤツですね! |
助手 | ・・・まぁそもそも『コップのフチに何かをつけたい』って需要があるかどうかが問題ですけどね。 |
教授 | 確かに。 |
宝島 | えぇ、需要がないトコだと思います。でもこうやってつけてみると、『あぁ、
コップのフチにフチ子さんがいるってアリだな』って思うでしょ!?存在しなかった需要を生み出してるわけです!ふふん! |
助手 | でも邪魔じゃない?飲む時。 |
教授 | 確かに。 |
宝島 | いやいや・・・こうやってね、気をつけて飲め、あ。 |
教授 | フチ子さぁ〜ん!!! |
宝島 | 違、違うんです!こうですかね、こう・・・ほら、こうやって飲め、あ。 |
教授 | フチ子さぁ〜ん!!! |
助手 | 飲めないじゃない! |
宝島 | いっそ飲めなくてもいいじゃない! |
教授 | そうか!発想の転換だ! |
助手 | じゃあ『飲みたい』という欲求と『つけたい』という欲求のバトルになるわけですね。 |
教授 | か、勝ち目がない・・・! |
宝島 | カ、カクテルとかでレモンがフチについてたりするじゃないですか! |
助手 | あれはまぁ、セットだからね、カクテルと。 |
宝島 | フチ子さんもセットに入れてくださいぃ・・・ |
助手 | 私に言われましても。 |
教授 | もう少し、保持力があればなぁ・・・ |
無残にコップのフチから落ちたフチ子さん。
自分の居場所にしがみつく事も出来ず、敗れていくのか・・・!?
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宝島 | ・・・発想の転換です。 |
教授 | 来た!発想の転換! |
助手 | 今度はなんですか。 |
宝島 | 加藤助手。あなたは囚われてしまっているのです・・・『コップのフチ』と冠された彼女の名に! |
教授 | おぉ!どういう事だね!? |
宝島 | 『コップのフチ子さん』だからといって、『コップのフチ』でなければならないという理由はない!彼女は、もっと自由だ! |
助手 | 例えば? |
宝島 | た、例えば!メガネのフレームに、『メガネのフチ子さん』! |
助手 | かけられないじゃない。 |
宝島 | スプーンの柄に『スプーンの柄子さん』! |
助手 | 食べられないじゃない。 |
宝島 | 机の引き出しに『引き出し子さん』! |
助手 | 閉められないじゃない。 |
宝島 | どぉしろとぉ〜!!! |
助手 | 私に聞かれても・・・ |
教授 | ・・・加藤助手。キミはそれで論破したつもりかね。 |
助手 | どういう意味です? |
教授 | これはね・・・『ロマン』なのだよ!フチ子さんというOLがいつもそばにいて
見守ってくれている!そういう夢だ!希望だ!そこに実用性なんてものを持ち込んで
評価する時点で野暮なのだよ! |
宝島 | 教授っ!!! |
教授 | 例えば『メガネのフチ子さん』!かけられない?前が見えない?そんなことはどうだっていい!
ゼロ距離にフチ子さんのお尻があるという事実が全てを変える! |
宝島 | なるほど! |
教授 | いや、勘違いしないでくれたまえ。私たちは別にエロスを求めているわけではない。
じゃあなんなんだと聞かれても困る。ロマンとはそういうものだ。 |
宝島 | 深い! |
教授 | 不便さこそが愛らしい!使いにくさこそ愛おしい!女のワガママだ、男なら笑って許すのだ! |
宝島 | 一生ついていきます! |
教授 | 宝島くん!ガチャガチャなのだ、一種類しかないという事はあるまい!? |
宝島 | もちろんです!全七種!この『ひっかかりフチ子』以外にも、『ぶら下がりフチ子』
『座るフチ子』『乗り越えフチ子』『バランスフチ子』『レモンとフチ子』そしてシークレットが一種! |
教授 | 謎が女を美しくする! |
宝島 | さらにカラーバリエーション!ネイビー以外にも赤、黄、ピーチの三種類が確認されています! |
教授 | 私はピーチがカワイイと思うよ! |
宝島 | どうです加藤助手!これでも彼女に惹かれませんか!? |
助手 | あ、ごめん聞いてなかった。 |
宝島 | どぅえぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?!? |
教授 | 貴っ様ぁ〜!!!!! |
その他のフチ子さん。
あなたはどの娘が好み?
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助手 | どうしたんですかお二人とも。『女のワガママは笑って許す』んでしょう? |
教授 | ぐはっ!ブーメラン! |
宝島 | いや、ちゃんと聞いてたんじゃないですか! |
助手 | ふふふ。 |
二人 | なんて女だっ! |
助手 | だって、たくさんあるんだとか言われてもここにあるのは『ひっかかりフチ子』だけなわけだし。 |
教授 | 宝島くん! |
宝島 | その言葉、予想の範囲内ですよ!もう一個買ってきました! |
教授 | いいね!なんかこの展開前にもあった気がするけど! |
宝島 | さぁ、開けてみますよ!?二人目のフチ子さんは・・・これだ! |
ひっかかりフチ子さん。
また、ひっかかりフチ子さん。
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宝島 | 何故だぁぁぁぁぁ!!!!! |
教授 | 山菜ストラップの時と同じ悲劇!ちょっとそうなるんじゃないかって思ってた! |
宝島 | どうして!? |
教授 | だってフチ子の発売元は・・・あの『奇譚クラブ』! |
宝島 | 山菜ストラップと同じ『奇譚クラブ』!? |
助手 | はい、この辺ですかね。教授、そろそろお時間です。 |
教授 | ぐ・・・うむ。では今日の宝物について評価をくだそう。 |
宝島 | なんだ、この奇譚クラブとの相性の悪さ・・・お願いします! |
教授 | うむ。今日の評価は・・・ |