用語解説コーナー 血が滾舞台用語辞典



上手 / 下手(かみて / しもて)
2011.09.29 OA


客席から舞台を見て右側を上手、左側を下手と言います。
略して上(かみ)、下(しも)と呼ぶ場合も多いですね。

語源は諸説あるようですが、「身分の高い役を向かって右に、身分の低い役は左に」というお芝居の約束事が生まれたところから、

『右側=身分の高い役=上座』
『左側=身分の低い役=下座』

という発想で上手、下手と呼ぶようになったのではないかと言われています。

現在でも舞台上に家を建てる場合は下手側に玄関を置くことが多いようです。
また、落語で身分の違いがある人同士の会話の場合、噺家は身分の低い人を演じている時に上手を見て話し、身分の高い人を演じている時には下手を見て話すそうです。

おそらく現場では最も使用頻度の高い用語ではないでしょうか。
役者目線ではなく、あくまでも客席目線、演出家目線で使われる言葉ですので、舞台に立った時は気をつけましょう。
ちなみに欧米では、舞台から客席を見る俳優の視点で表現するので、日本とは左右の表現が逆になるそうです。

演出家のメモに「○○役の役者、下手」と書いてあったのを見てすごく落ち込んだら、単に「下手側に移動しろ」という意味だと知って赤っ恥をかいたというようなエピソードもありますね。全く、ややこしい。


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