用語解説コーナー 血が滾舞台用語辞典



面 / 奥(つら / おく)
2011.09.29 OA


舞台の左右を上手・下手と呼ぶのに対して、舞台の前方(客席側)を舞台面、舞台の後方を舞台奥と呼びます。
略して面(つら)、奥(おく)ですね。

基本的には上手・下手と合わせて上、下、面、奥で舞台の方位を表現できるわけですが、「前後左右」という日常的に使っている言葉と交じると、途端にわけがわからなくなるのが困ったところです。
演出家に「一歩上へ」と言われたら、どちらを向いていようと上手へ一歩。
「一歩面へ」と言われたら、同じく身体の向きに関わらず客席側へ一歩。
しかし「一歩前へ」と言われたら、その時身体が向いている方向へ一歩。

つまり、前後左右は役者の身体の向きに対して使われ、上下面奥は舞台の向きに対して使われるのです。
例えば「上手に三尺行って、面に一歩、そこでちょい右へ。で、キューが出たら下手に45度向きを変えて三歩下がって」などと言われたら、もう自分がどこにいるのやらちんぷんかんぷん。
まぁあえてそんなややこしい言い方してくる演出家は少ないとは思いますが、とにかく「自分がどちらを向いているかに関わらず、舞台の前後左右を指すのが上下面奥」と覚えておけば間違いないでしょう。


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