用語解説コーナー 血が滾舞台用語辞典



傀儡(かいらい・くぐつ)
2014.02.27 OA


自分の意志を持たず、あやつり人形のように他人に左右される人を指すこの言葉。「傀儡政権」のように一般にも使われていますよね。

とても難しい漢字のこの言葉、語源は人形回しの芸人からきています。 はるか昔、平安時代よりもさらに以前。狩りと芸をしながら諸国を旅して回った日本初の職業芸能人と言われている人たちがいました。操り人形の人形劇を行い、劇に合わせた詩を唄い、奇術や剣舞、相撲なども見せて人々を楽しませていた彼らの操る人形を「傀儡」、操る人を「傀儡子」と呼んでいました。 傀儡子が人形を、さも意志のあるように動かしている様から、他人に影響され操られて自分の意志を持たない人を「傀儡」と言うようになっていったと言われています。

彼らのそれぞれの芸は猿楽、人形浄瑠璃、能、狂言、歌舞伎、神楽となって発展していきました。すごいですね。中でも人形を操る芸は、人形浄瑠璃の「人形遣い」の祖となり、やがて三味線などと結びついて、現在「文楽」と呼ばれているものへとつながります。


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