宝島 | さぁ、今週も始まりましたよ、街中トレジャーハント!前回は意外や意外、驚きの星二つ! |
教授 | 「一つだと思ってたのに、二つももらえた!」と。 |
宝島 | 逆ですよ!もうね、「評価がおかしい」とか「教授の独断だ」とか、客観性を疑うお便りが来てましたよ。 |
助教授 | このお便り、送り主住所が宝島くんの家・・・ |
宝島 | ん?そ、そうかな? |
助教授 | 筆跡も同じ・・・ |
宝島 | さ、さぁ!今週こそは星五つを目指して!ね!? |
助教授 | うわ、最低だ。 |
教授 | あのね、ここは客観的な商品価値を評価する場ではないのだ。先週も言ったが、宝島くんがいかに『アピール』できたか、だからね。 |
宝島 | くっ・・・今回は自信ありますよ。今回の宝物は、これだ! |
第二の宝物 アドベントカレンダー
全長30cm程度/紙製
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教授達 | ・・・何? |
宝島 | ほら、もうすぐ11月も終わりでしょ?そしたらすぐにクリスマスじゃないですか。クリスマスグッズで何かないかなと思ってたら、これを見つけまして。 |
教授 | まぁこの形だからクリスマス関連なのはわかるが。 |
助教授 | 数字がランダムに並んでて、引き出しになってて・・・ |
宝島 | あれあれ?ふふ、ご存知ないんですか?アドベントカレンダーってヤツですよ。 |
教授 | あぁ、アドベントカレンダーか。 |
助教授 | なんです、それ? |
教授 | アドベントっていうのはイエス・キリストの誕生を待ち望む期間のことで、「到来」を意味するラテン語の「Adventus」からきてる。日本語なら「降臨節」とかって言い方もするな。で、待望のイエス・キリストの誕生日(=クリスマス)までをカウントするためのカレンダーが「アドベントカレンダー」。アドベントの期間の数え方は宗派によって違うらしいけど、一般的には12月25日に一番近い日曜日から数えて四週間前の日曜日から始まるそうだ。アドベントカレンダーも本来はその期間のものなんだが、まぁ今では多くは12月1日〜24日の期間になっているね。この宝物もそのようだ。 |
宝島 | ・・・・・そういう事です。 |
助教授 | 知らなかったでしょ! |
宝島 | そうですよ!いけませんか!? |
助教授 | 開き直った・・・! |
宝島 | そういう事なんです!キリストの、ね!待ち望むのです!で、ほら、見てください! |
日付の書かれた引き出しの中。
なにやら入っているようで・・・
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宝島 | 例えば12月1日になったら、「1」って書かれた引き出しを開けるわけです。すると中にはちょっとしたお菓子が! |
助教授 | へぇ、面白い。 |
宝島 | ね、毎日楽しいでしょ? |
教授 | まぁ一般的なアドベントカレンダーだな。 |
宝島 | 教授! |
助教授 | あ、そうなんですか? |
教授 | うん。日付のところが開けられるようになっててお菓子やおもちゃが入ってたり、聖書に出てくる言葉が書いてあったり。自分で中身を入れられるタイプもあるらしいな。 |
助教授 | なんだ。別に希少価値ないじゃん。 |
宝島 | 教授ぅ・・・ |
教授 | いや、私を責められても。 |
助教授 | それにこれ、一応はカレンダーなんでしょ?日付がランダムに並んでるのはなんなの。今日がどこか探さなきゃならないし、不便じゃん。 |
宝島 | 助教授!いいトコに気がつきましたね!そこがこの宝物の最大のウリ!この引き出しね、裏に絵が描いてあるんですよ! |
教授 | ほう。 |
宝島 | で、お菓子を取り出したら、その引き出しを逆にして(絵が描いてある面を前にして)また入れる。そうすると一日過ぎるごとに少しずつ、絵が完成していくわけです。 |
教授 | なるほど、そしてクリスマスに絵が完成する、と。 |
助教授 | ランダムに数字が並んでいるのもそのためなんですね。出来るだけ最後まで何の絵なのかわからないように、と。 |
宝島 | そう!ね、ワクワクするでしょ?お菓子がもらえる嬉しさと、絵が完成していくワクワク感と。それが最高潮に達した時、クリスマスが訪れる! |
教授 | なるほど!いいね! |
助教授 | そういうの好きです♪ |
宝島 | お!好感触! |
教授 | では・・・ |
引き出しを開けようとする教授から、カレンダーを奪い守る宝島氏。
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宝島 | ちょちょちょ!なんで開けようとしてんすか! |
教授 | いや・・・だって開けて引き出しの裏を見てみないとわかんないじゃないか。 |
助教授 | そりゃそうですね。 |
宝島 | 勘弁してください!これ、僕が自腹切って、その、発掘費用払ってるんですから!12月1日までは開けちゃダメです! |
教授達 | えぇ〜・・・ |
意地になる宝島氏。
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宝島 | 「えぇ〜」って、だって・・・僕のワクワク感を奪わないでくださいよ。 |
教授達 | ・・・・・ |
宝島 | 黙るなっ!あの、ね、いいじゃないですか。だいたい伝わったでしょ? |
教授 | 現物を見ないで鑑定はできんよ・・・ |
助教授 | 宝島くんってそういうトコあるよね・・・ |
宝島 | え、これ俺が悪いですか・・・?だって教授、開けるとなったら全部開けるでしょ? |
教授 | うん。 |
宝島 | なんだこの「当然です」って顔。 |
教授 | だって全部開けてひっくり返してみないとどんな絵が描かれてるのかわかんないじゃん。 |
宝島 | だからそれがわかったら僕は困るんですって! |
助教授 | いいじゃん、小物入れかなんかとして使えば。 |
宝島 | それもう全然アドベントじゃない! |
教授 | 「開けちゃダメ なぜならこれは カレンダー」 |
宝島 | なんだその川柳! |
助教授 | 『カレンダー』と『彼んだ(彼のものだ)』をかけてるわけですね! |
宝島 | 全然うまくねぇよ! |
助教授 | 教授、そろそろお時間です。 |
教授 | うむ。では今日の宝物について評価をくだそう。 |
宝島 | くそ、意味わかんないオチに持ってかれた・・・お願いします! |
教授 | うむ。今日の評価は・・・ |